個別株で大損した私が「つみたてNISA」「iDeCo」をおすすめする3つの理由

岸田首相の「資産所得倍増計画」「貯蓄から投資へ」をきっかけに、「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ)」があらためて注目を浴びるようになりました。

乱高下する株価のチャート

実は私、若かりし頃に日本の個別株で相当な額の損失を出した経験があります。15年くらい前のデイトレブームに乗っかった自分を叱ってやりたい…!と、そんな過去を持つ私ですが、苦い経験を生かして(?)今のところ、つみたてNISAとiDeCoはプラスで運用できています。

この記事では「最近よく目にするつみたてNISAってなんだろう?」「つみたてNISAって本当に大丈夫なの?」といった疑問を持っている方向けに、日本の個別株で大損した私が「つみたてNISAとiDeCoをおすすめする3つの理由」についてお話しします。

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つみたてNISA、iDeCoとは

そもそも、つみたてNISA、iDeCoとは何なのか。

つみたてNISAは、2018年1月からスタートした新しい資産運用の方法で、専用の口座を使って購入した公募株式投資信託の「分配金・譲渡益」が、最長で20年間非課税になる制度です。非課税になるのは、年間40万円まで。

購入できるのは、金融庁が厳選した投資信託・ETFのみなので、投資初心者でも比較的安心して投資することが可能です。

iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」と言い、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金制度の一つです。加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てを自身で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。

つみたてNISA、iDeCoはどちらも税制の優遇を受けて資産を積み立てられる点では同じですが、運用額の上限や運用商品など細かいところで違いがあります。特にiDeCoは原則として資産を自由に引き出すことができない点は注意しましょう。

つみたてNISAをおすすめする3つの理由

※細かい説明が増えると初心者の方にはわかりにくくなりそうなので、iDeCoについては割愛します。

20年間は運用益・分配金が非課税

つみたてNISAのもっとも大きなメリットは、運用益・分配金が最長20年間非課税となること。

個別株を運用したことがある方はご存じだと思いますが、通常、投資で利益を得た場合、運用益・分配金に対しては20.315%の税金がかかります。20.315%というのはだいぶ痛い割合で、ちょっと利益を出しただけでは税金分を引かれて手元に残るのは雀の涙になったりします。

その点、つみたてNISAは本来差し引かれるべき税金分も運用にあてることができるので、とても優遇された仕組みになっています。

積立型なので「売り」「買い」のタイミングに迷わない

「売り」「買い」のタイミングに精神をやられないというのは、個人的にはすごく大きなポイントです。

名前の通り、つみたてNISAは「積立」の投資方法のみが認められています。毎月特定の日に買い付けを行い、基本的に売ることはなく、機械的に積み立てていきます。

私が個別株を運用していた時は、毎日毎日株価が気になって仕方がなかったです。持っている株がマイナス運用に入ったら、損切りするのか買い増すのか、一日中考えていました。そして、売った後でその株が上がったら「ホルードしとけばよかった」…などと無駄なことを思ってみたり。精神的にむちゃくちゃキツかったです。

しかし、つみたてNISAは長期運用が前提のため、日々の株価を気にすることがなくなりました。まぁ、今年は弱気相場が続いているので、若干そわそわしてたりしますが(笑)それでも精神的な負担はほぼないです。

ドル・コスト平均法で平均買付単価を抑えられる

ドル・コスト平均法とは、価格が日々変わる金融商品を一度に購入するのではなく、一定額ずつ分けて購入することで、平均買付単価を抑える方法です。

上の「買い・売りのタイミングに迷わない」と通ずる話でもありますが、毎月一定額を積み立てる買い方は買付単価を抑えられるメリットがあります。

「底値で買って天井で売る」、言うのは簡単ですがこれを実践できるのは投資のプロでも難しいことです。金融商品は価格が変動するので、価格が高いときに一気に購入すると高値づかみをしてしまう可能性がありますが、そのリスクを積立投資で軽減することができます。

つみたてNISA、iDeCoは今すぐやるべきか?

つみたてNISA、iDeCoをおすすめする理由を3つ挙げましたが、では今すぐ始めた方がいいか…と聞かれれば、最終的には自己責任で判断しなければなりません。

投資は預貯金と違い、元本は保証されていないため、どの商品でも元本割れが起きる可能性はあります。一般的に株式の価格は国内および国際的な経済・政治情勢等の影響を受け変動し、債券の価格は金利の変動の影響を受けます。特に今は世界的にインフレ、スタグフレーションのリスクがあるため、短期的でマイナスになる可能性は低くありません。

そうしたリスクを許容できる人、長期で運用することを前提に積立できる人であれば始めて問題ないと思います。また、リスクがある以上、投資は基本的に余剰資金で行うことを推奨します。

つみたてNISAで人気の商品「S&P500」や「全世界株式(オールカントリー)」などは、長期で見れば右肩上がりで成長を続けています。それが今後も続く保証はありませんが、確率で考えれば元本を割る確率よりも増える確率の方が高いと思っています(個人の考えです)。もし仮に20年後、米株をはじめ世界全体の株価が今より下がっていたとしたら、世界経済は完全に終了のお知らせ状態ですよね…