カナダ・トロントにある高速道路に「TEXT AND DRIVE」(運転中にスマホを使おう)と書かれた看板が提出されました。
日本でも歩きスマホや運転中のスマホ操作による事故が問題視されています。そうした事故を防ぐために「運転中のスマホ利用禁止」を呼び掛ける広告であれば分かりますが、スマホの利用を促す広告とは…。この広告、いったい誰が何の目的で発信したのでしょうか。
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その広告主はなんと…
「TEXT AND DRIVE」(運転中にスマホを使おう)
この広告のスポンサーは…葬儀場。
なるほど、たしかに葬儀屋なら事故死が増えた方が儲かりますもんね。
でも、話はここで終わりではありません。
この葬儀場のWEBサイトを覗いてみると(現在は閉鎖しています)…一見、普通の葬儀場のサイトっぽいのですがコンテンツの内容がどうも葬儀場っぽくない。
実はこのサイト、ネットだけで存在する架空の葬儀場なのです。
この広告の本当の目的、それはメッセージを見て気になったドライバーを架空の葬儀場サイトに誘引し、ドライバーに安全運転を呼びかけることなのです。サイトでは架空の設定を説明すると共に、交通事故の統計データが書かれています。
- 2013年、オンタリオ州の81人のドライバーが前方不注意の事故によって命を失った。
- 2013年、不注意が原因の死亡者の数はスピードが原因の死亡者よりも13%高かった。
- 運転中にスマホを触っているドライバーは、事故に巻き込まれる確率が23倍上昇する。
- この傾向が続けば、前方不注意が原因の事故死は来年には飲酒運転が原因の事故死を上回る。
このプロモーションを仕掛けたのはカナダ・モントリオールの広告代理店。なかなか減らない運転中の携帯電話の操作をやめさせるために、逆転の発想で訴えるこの広告を考えたそう。
たしかに「スマホを見ながらの運転をするのはやめよう」と看板に書かれていても、当たり前のことすぎて気にもとめないですよね。しかし「スマホを見て運転しよう」だったら「え!どういうこと?」となります。そして、実際にアクセスしてみると…なんと葬儀場のサイト。かなりドキッとするはずです。
広告はテキストだけ、WEBサイトも非常に簡素な作りですが、下手にお金をかけた広告よりよっぽど効果的だと思います。日本でも安易に人気タレントを使うばかりでなく、こんなひねりのきいた広告が増えてくるといいですね。