スマートフォンのバッテリー寿命を延ばす充電方法とは?6つのパターンで解説

スマートフォンを日々使用している中で、バッテリーの劣化が気になる方も多いのではないでしょうか。

iPhoneとUSB-CのLightningケーブル

最近では、リチウムイオンバッテリーを使用したスマートフォンが主流ですが、このバッテリーの寿命を延ばすためには、適切な充電方法が非常に重要です。

今までもスマホバッテリーの最適化についてはブログでも何度か紹介してきましたが、具体的な事例・パターンをあげないと「実際どうするのがベストなのか」わかりにくいな、と私自身感じました。

そこで、この記事ではバッテリー寿命を最適化するための充電パターンをいくつか紹介し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

リチウムイオンバッテリーの基本

まず、リチウムイオンバッテリーの特性を簡単に理解しておきましょう。

スマートフォンに使用されているリチウムイオンバッテリーは、サイクル寿命が重要な指標となります。ここでのサイクルとは、バッテリー容量の100%を消費することを1サイクルと定義していますが、部分的な充電・放電も累積して1サイクルとみなされます。

一般的には、リチウムイオンバッテリーは500~1000回程度の充電サイクルが期待されていますが、これらのサイクルはどのような充電方法を取るかによって、大きく変動します。充電サイクルをいかに適切に管理するかが、スマートフォンのバッテリー寿命を延ばすカギとなります。

スマートフォンのバッテリー寿命に影響を与える要因

バッテリーの劣化はさまざまな要因で進行しますが、特に次の3つが大きな影響を及ぼします。

  • 過度な充電: 100%まで充電し続けることは、バッテリーに大きな負担をかけ、劣化を加速させます。
  • 深い放電: バッテリーを0%や10%以下まで使い切ることも、バッテリーにとってはストレスとなり、寿命を短くします。
  • 急速充電: 急速充電は便利ですが、バッテリーに大きな負担をかけます。特に頻繁に急速充電を行うと、バッテリーの劣化が早まることがあります。

では、これらの要因を考慮した充電パターンをいくつか紹介し、どの方法がバッテリーにとって最適かを評価していきましょう。

6つの充電パターンとその評価

ここでは、わかりやすく6つの充電パターンを例として取り上げ、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

1.昼に部分充電、夜間に満充電

朝に100%でスタートし、昼に60%まで減ったところで80%まで部分充電します。夜には20%まで放電し、その後夜間に100%まで充電され、翌朝再び100%でスタートするパターン。

  • メリット: 昼の時点で80%まで充電するのはバッテリーにやさしい。100%から減るまで使用し、次の充電タイミングを持つのも標準的です。
  • デメリット: 夜間に100%まで充電し、そのまま朝まで放置するのは、バッテリーに負荷がかかります。満充電の状態で長時間置いておくことは避けたいところです。
  • 評価: C – 夜間の満充電を避ける工夫ができれば、より良いパターンになります。

2.夕方に急速充電、夜間は充電なし

朝80%で始まり、夕方には10%まで減少。夕方に急速充電で100%まで充電し、夜間は充電せずに翌朝80%でスタートするパターン。

  • メリット: 夜間に充電せず、80%を維持するのはバッテリーに優しい。
  • デメリット: 夕方に10%まで深く放電し、急速充電で100%にするのはバッテリーに大きな負担をかけます。頻繁な急速充電や深放電は避けるべきです。
  • 評価: C – 急速充電と深放電を控えることで、さらに良いパターンになります。

3.朝から使い続け、夜間に満充電

朝100%で始まり、夜には5%まで放電。その後、夜間に100%まで充電し、翌朝100%でスタートするパターン。

  • メリット: 充電回数が少ない。
  • デメリット: 5%までの深放電と、夜間の100%までの充電はバッテリーにとって大きな負担となります。毎回100%まで充電するのは、バッテリー劣化の原因となります。
  • 評価: D – このパターンはバッテリーの劣化を早めるため、避けるべきです。

4.昼に軽い充電、夜間は充電なし

朝70%でスタートし、昼に40%まで減少したところで90%まで充電します。夜間は充電を行わず、翌朝も70%でスタートするパターン。

  • メリット: 90%までの充電を行い、深放電を避け、夜間に充電しないのは良い習慣です。
  • デメリット: 70%から40%への放電範囲はやや広めですが、許容範囲内です。
  • 評価: B – 部分的な充電と夜間の充電なしは○。90%までの充電を少し抑えるとさらに良くなります。

5.昼と夜に部分充電、夜間は充電なし

朝80%で始まり、昼に50%まで減少したところで70%まで充電。夜には40%まで放電し、その後急速充電で100%まで充電。夜間は充電せずに翌朝80%でするパターン。

  • メリット: 昼に70%までの充電を行い、80%をキープするのは良いです。
  • デメリット: 夜に急速充電で100%まで充電するのは、バッテリーに負担をかけます。
  • 評価: C – 急速充電と100%までの充電を避ければ、さらに良いパターンとなります。

6.一日を通して小刻みに充電、夜間は充電なし

朝60%程度でスタートし、昼と夕方に50%から80%までの小刻みな充電を繰り返します。夜には80%で維持し、夜間の充電は行わないパターン。

  • メリット: 常に50~80%の範囲を保つことで、バッテリーにとって理想的な状態を維持できます。頻繁に充電を行うものの、この範囲内ならバッテリーの劣化は最小限です。
  • デメリット: 充電回数が増えることで、バッテリーの充電サイクルが増える可能性はあるが、この範囲であれば負担は軽微。また、充電する手間が増える。
  • 評価: A – 50%~80%の範囲を保つ小刻みな充電が、バッテリー寿命を延ばす最適なパターンです。

充電サイクルが増えても問題ないのか?

パターン6は充電回数が増える可能性があるため、そのあたりの問題が発生しないかという疑問が出ると思いますが、その点については充電の深さ(放電量)と最大充電量に大きく依存します。

50%~80%の範囲内で充電することで、バッテリーへの負担を軽減し、結果としてバッテリーのサイクル寿命が延びることが期待できます。

バッテリーのサイクル寿命は、あくまでも100%の充放電を1サイクルとカウントします。例えば、50%までしか充電していない場合、それを2回行ってやっと1サイクルに相当するため、充電回数が増えてもバッテリーの劣化は極めて少ないのです。

ちなみに私は以前、充電回数の少ないパターン3(残量ギリギリまで使ってMAXまで充電)が一番バッテリーに良いと思い込み、実践していた時期があります…orz

まとめ:スマートフォンのバッテリー寿命を延ばすために最適な充電方法

バッテリー寿命を最大限に延ばすためには、50%~80%の範囲内での充電が最も効果的です。

パターン6のように浅い充電サイクルを維持することが、バッテリーの劣化を最小限に抑える鍵です。充電回数が増えても、深放電や満充電を避けることで、バッテリーの寿命を大幅に延ばすことができます。

日々のスマートフォン充電習慣を少し変えるだけでバッテリーの寿命が延びるので、少し意識するだけでお気に入りのスマホを長く使えるようになると思います。