キャメルケース・スネークケース・ケバブケースの違いと使い分けを解説

プログラミングにおいて、変数や関数、ファイル名を命名する際には、統一された規則に従って名前を付けることが重要です。命名規則にはいくつかの種類があり、コードの可読性を向上させるためにそれぞれ使い分けられます。

コードが書かれたモニター

今回は、キャメルケース、スネークケース、ケバブケースといった代表的な命名規則について、それぞれの特徴や使用例、そして適切な場面について解説します。

命名規則とは?

命名規則とは、プログラム内で使用される変数名や関数名を付ける際の一貫したルールのことです。正しい命名規則を守ることで、コードの可読性や保守性が向上し、他の開発者と協力して作業する際にコードの意図を正しく伝えやすくなります。

命名規則にはさまざまな種類がありますが、ここでは主に3つの代表的な命名規則を紹介します。

  • キャメルケース(Camel Case)
  • スネークケース(Snake Case)
  • ケバブケース(Kebab Case)

それぞれの命名規則について、以下で詳しく見ていきましょう。

1. キャメルケース(Camel Case)

キャメルケースとは、単語の区切りを大文字で表現する命名規則です。駱駝(らくだ)のコブのように、文字列の中に大文字があることが名前の由来です。最初の単語は小文字、次の単語以降の先頭文字を大文字にすることで、単語の区切りを表します。

let userName = "John"; function getUserData() { return userName; }

この例では、userNameやgetUserDataといったように、2つ目以降の単語の先頭が大文字になっています。キャメルケースには、ローワーキャメルケースとアッパーキャメルケースという2種類のスタイルがあります。

ローワーキャメルケース(Lower Camel Case)

1つ目の単語の先頭は小文字、2つ目以降の単語の先頭は大文字にするスタイルです。主に変数名や関数名に使用されます。

let userAge = 25; function calculateAge() { return userAge + 1; }

アッパーキャメルケース(Upper Camel Case)

すべての単語の先頭を大文字にするスタイルです。クラス名やコンストラクタ関数名によく使われます。

class UserProfile { constructor(name, age) { this.name = name; this.age = age; } }

使用例と用途

キャメルケースは、JavaScriptやJavaなど、主にオブジェクト指向言語で使われることが多いです。特に関数名や変数名に使用され、統一したフォーマットでコードを記述する際に適しています。

2. スネークケース(Snake Case)

スネークケースは、単語と単語の区切りを**アンダースコア(_)**で表す命名規則です。見た目が蛇(スネーク)が這っているように見えることが名前の由来です。

let user_name = "John"; function get_user_data() { return user_name; }

このように、各単語の区切りをアンダースコアでつなげて記述します。スネークケースは、すべての文字を小文字で統一することが一般的です。

使用例と用途

スネークケースは、PythonやRubyなどのプログラミング言語で変数名や関数名を記述する際に多く使用されます。また、HTMLファイルやCSSファイル内のクラス名・ID名としても使われることがあるため、Web開発全般において見かけることが多い命名規則です。

3. ケバブケース(Kebab Case)

ケバブケースは、単語の区切りをハイフン(-)で表す命名規則です。ハイフンがケバブの串に見えることが名前の由来です。すべての文字を小文字で記述します。

let user-name = "John"; // JavaScriptでは使えません 

JavaScriptや多くのプログラミング言語では、ハイフンが演算子と解釈されるため、変数名としては使えません。しかし、ケバブケースはHTML属性名やCSSクラス名でよく使用されます。

使用例と用途

ケバブケースは、HTMLやCSSでのクラス名やID名として使われることが多いです。特にReactやVue.jsなどのフロントエンドフレームワークでカスタムコンポーネントを作成する際に用いられる命名規則です。

<div class="user-profile">John</div>
<div id="user-info">25歳</div> 

このように、ケバブケースはスタイルシートやHTML属性に使用され、視覚的に見やすく、かつ識別しやすいため、Webサイトのコーディングにおいてよく使用されます。

まとめ

それぞれの命名規則には適した場面と使用するプログラミング言語があり、使用するケースによって適切に使い分けることが重要です。

  1. キャメルケース:JavaScript、Javaなどの変数名や関数名に最適。
  2. スネークケース:PythonやRubyの変数名、HTMLやCSSのID名・クラス名で使用される。
  3. ケバブケース:HTML属性やCSSクラス名の命名に使用。

命名規則を統一することは、チーム開発やコードのメンテナンスを効率化させるために非常に重要です。適切な命名規則を選んで、読みやすく保守性の高いコードを書きましょう!