DNS切り替えによるメールサーバー移行手順と注意点を徹底解説

ホームページで利用しているレンタルサーバー(ホスティング会社)を変更する場合、メールサーバーの移行作業が発生します。

メールのイメージ

プライベートならまだしも、ビジネスメールの送受信に不具合があったら大事です。メールサーバーの移行は慎重かつミスなく行わなければなりません。

今回はDNSの変更にともなうメールサーバー移行方法と注意点についてまとめました。

DNS切替に伴うメールサーバーの移行方法

メールサーバーの移行作業は、複数のステップを踏んで慎重に行う必要があります。特にビジネス用途のメールサーバーでは、メールの送受信が中断しないように、以下の手順に従って進めましょう。

1. 旧メールサーバー情報をIPアドレスに変更

まずは、現在使用しているメールクライアントの設定を確認し、旧サーバーのIPアドレスに変更します。

通常は、「送信サーバー」「受信サーバー」にドメイン名が使われていますが、これをIPアドレスに書き換えます。

これは、DNSの変更が完了するまで旧サーバーとの接続を維持するための重要なステップです。ドメインが新サーバーに切り替わるまでの間も、旧サーバーでのメールの送受信を確保できます。

2. 新しいメールサーバーにメールアカウントを設定

次に、新しいサーバーにメールアカウントの設定を行います。

レンタルサーバーのコントロールパネルにアクセスし、必要なメールアドレスやアカウント情報を登録します。全てのアカウントを正確に新サーバーに移行できているか確認してください。

3. メールクライアントに新メールサーバーの情報を設定

メールクライアントの設定では、新サーバーのドメイン情報を入力します。

先ほど旧サーバーに設定したIPアドレスを、新サーバーのドメインに変更します。これにより、メールクライアントは新しいメールサーバーに接続され、DNSが切り替わった後も正常に動作するようになります。

4. DNSの切り替え

次に、DNSの切り替えを行います。

これはサーバー管理者にとって非常に重要な作業であり、新しいサーバーに対してメールのトラフィックが正しくルーティングされるための手順です。DNS切り替え後は、新しいメールサーバーに全てのメールが届くようになります。

5. 並行運用と確認作業

DNS切り替え後、メールサーバーの新旧並行運用期間を設けてください。

これにより、プロパゲーション期間中も両サーバーでメールが処理されるため、メールの取りこぼしが防げます。

補足:プロパゲーション期間について

DNS書き換えがインターネット全体に浸透するまでにはプロパゲーション期間と呼ばれる期間が必要で、通常数時間から1週間ほどかかることがあります。この期間中、ユーザーによってメールの到達先が旧サーバーか新サーバーか異なる場合があるため、旧サーバーとの並行運用が必要です。

プロパゲーションの完了後、新サーバーにのみメールが届いていることを確認できたら、旧サーバーを停止しても問題ありません。

移行時の注意点

  • データのバックアップ:移行前に、必ず旧メールサーバー上の全てのデータをバックアップしておきましょう。
  • ダウンタイムの最小化:DNS切り替え作業は、可能であれば夜間や週末など、ビジネスに支障が少ない時間帯に行うことをおすすめします。
  • クライアント通知:移行作業中は、クライアントや関係者に予め通知しておくことで、トラブル時の対応がスムーズになります。
  • メールアーカイブ:旧サーバー上のメールアーカイブも移行が必要です。これを怠ると、重要なビジネスメールが失われるリスクがあります。

まとめ

メールサーバーの移行は、DNS切り替えと合わせて慎重に進める必要があります。プロパゲーション期間中は新旧サーバーを並行運用し、メールの中断やデータ損失を防ぎましょう。

各ステップを丁寧に行えば、スムーズな移行が実現できるはずです。ぜひこの記事を参考に、正確で効率的なメールサーバー移行を行ってください。